みなさんはヘアカラーをする時、どうやってオーダーしていますか?
「好きな芸能人と同じ感じにしてもらえるように伝える!」
「雑誌やインスタ、webなどで写真を探して美容院に持っていく」
「なんとなく明るさや色のイメージだけしておいて、あとは担当の美容師さんと相談して決める」
というようなパターンが多いかなと思います。
そこで良く言われるのが【トーン】という言葉。
美容師が見せてくれる色のイメージとしてトーン表(毛束がたくさんくっ付いたブックみたいなもの)を見せてもらったという方もいると思います。
でも、そもそもトーンって何なんでしょうか?
というわけでこんにちは、
ヘアカラーリスト今井です。
今回の記事は『ヘアカラーにおけるトーンについて』です!
・トーンの本当の意味が分かります。
・失敗しないヘアカラーのオーダー方法が分かります。
やりたいヘアカラーはトーンでオーダーしましょう
どんなご要望だとしても、ひとまずトーンを軸にオーダーすればほぼ間違いなく美容師に伝わります。
そのヘアカラーが出来るか出来ないかは別の話として。
もちろんその時、写真を見せれば更にカンペキですし、写真を持っていなくても「〇トーンくらいにしたいから写真見せてほしい」と伝えれば美容師が用意できます。
「じゃあその時に自分がやりたいトーンって何トーンって言えばいいの?」ということでご説明していきます。
まずトーンは数字でイメージしている方が多く、数字が小さいほど髪色は暗いです。
逆に数字が大きいほど髪色は明るくなっていきます。
では、それぞれの数字のイメージごとにお話していきます。
日本人には少ない1〜2トーン
このトーンに関してはなかなかオーダーがないのでデザインとしてお見せできないですが、イメージとしては光を当てると青光りするような黒で【ブルーブラック】とも言います。
多くの日本人の地毛よりももっと暗い黒なので、不自然とも個性的とも言えます。
日本人の地毛くらい3~5トーン
日本人の地毛は、大半の方がこのトーンの範囲内です。
【ナチュラルブラック】という言い方もできます。
でも実際のオーダーの時はトーンというより「地毛に合わせて下さい」ですかね。
就活中の学生さんとかは無難にこのトーンにする方が多いです。
ほんのり色味を感じる6〜7トーン
やや明るくなってくると、色味を感じるようになっていきます。
なので最流行りの【暗髪】なんかはこのトーンと言えます。
外とかライトの下とか光があたると色を感じる程度です。
染めていても不自然に見えなくて、それでいて清潔感も演出できる程度のトーンです。
無難に似合いやすい8〜10トーン
単純に「似合うトーンで」とオーダーすると大体このくらいのトーンに落ち着きます。
ほぼどこで見てもヘアカラーをしているのが分かる明るさ。
一般的に1番多いトーンでしょう。
学生さんから社会人の方でも幅広く楽しめるトーンです。
明るめな11〜12トーン
染めてる感がかなりある、周りから見ても「明るいね!」って言われるくらいのトーン。
ライフスタイル的に問題なければ楽しんじゃいましょう!
でもダメージにはちょっと注意しながら。
ブリーチが必要かも?13〜14トーン
ライフスタイルにもよりますが、結構目立つ明るさのトーンです。
髪質によってはブリーチが必要になってくるのもこのくらいのトーンから。
その分ダメージも気になりやすくはなりますが「人と被りたくない!」が優先ならこのくらいのトーンは欲しいかも。
個性全開!ブリーチ必須な15トーン〜
ほとんどの方はブリーチしないとまずこの明るさのトーンにはなりません。
やってみたくても出来ないという方は多いので、間違いなく目立ちます!
個性を出すならぜひ!
似合うヘアカラーのポイントはパーソナルカラー
ひとまず『やりたいヘアカラーをトーンでオーダーする』とお伝えしました。
でも今度は『やりたいヘアカラーが似合うのかわからない問題』が出てきます。
そこで使えるのが【パーソナルカラー】です。
パーソナルカラーとは、人それぞれがもつ素の肌や瞳などの色に似合う色を見つけることができるテクニックです。
やりたいトーンの髪色が似合うかどうか?はパーソナルカラーで分かります。
パーソナルカラーについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください↓
髪を染めるとき、なりたいイメージにプラスして似合う髪色になれば最高ですよね。今回の記事では似合う髪色にするためにパーソナルカラーについてお伝えしていきます。
トーン別ヘアカラーの注意点
やりたいヘアカラーはトーンでオーダーできた。
その中で似合うか似合わないかも大体分かった。
そうしたら今度はちょっとだけ注意点をお伝えしておきます。
ヘアスタイルに注意
ヘアカラーは髪が長いほど色の印象が強くなります。
単純に色の面積が大きくなるので、同じ明るさでも髪が長いほど暗い色はより暗く見え、明るい色はより明るく見えます。
オーダーするときに見せる写真は、出来るだけご自身のヘアスタイルと同じくらいの長さの写真の方が、自分も美容師もイメージしやすいでしょう。
髪質に注意
髪質の判断はなかなか難しいですが、例えば同じトーンでも髪質が細くて柔らかい方は明るく見えやすく、太くて硬い方は暗く見えやすい傾向があります。
なので、本来やりたいイメージよりも髪質が細めの方はやや暗め、太めの方はやや明るめのトーンに染めておくとイメージに近くなりやすいかもしれません。
色味と明るさに注意
ほとんどの場合、暖色(赤寄り)の色味は寒色(青寄り)に比べて暗く見えやすいです。
やりたい髪色・トーンが暖色の場合はやや明るめ、寒色の場合はやや暗めにイメージしておくと良いでしょう。
ただし、寒色で6トーン以下の色味は髪質が硬く見える傾向があるので、狙いでなければ注意しておく必要があります。
なぜなら、青や緑などの色味は本来髪に存在しない色味なので、髪本来がもつ色相とぶつかり反発して濁るためです。
その濁りが髪を硬く見せてしまうので、暗くても濁らせたくない場合は先にいったんブリーチしておくなどして髪本来の色素を取り除く必要があります。
ヘアカラーやパーマの履歴に注意
ヘアカラーやパーマを楽しむのが一般的になっていて、いろいろな施術方法があることによって『染まりにくい髪の状態』になってしまっているケースがあります。
ヘアカラーの場合は、黒染めや髪色戻しなどのかなり暗い色で染めた履歴がある方、パーマの場合は縮毛矯正やデジタルパーマなどの熱処理をするパーマをかけた履歴がある方は注意しましょう。
実はヘアカラーのトーンって明るさのことじゃない!?
さて。このタイミングで言うのも何ですが、トーンというのは一般的に明るさのことと説明されることが多いんですが…
実は違います!
もちろん明るさは含まれますが、正確には【明るさ】と【鮮やかさ】が合わさったものです!
それではトーンの意味についてお話していきます。
トーンって何?
トーン、トーンと言っていますが、冷静に考えてみると横文字で正確な意味が良く分からなくないですか?
トーン(tone)とは日本語で言うと【調子】という意味です。
ヘアカラーや色の場合は色の調子。
つまり【色調】のことです。
色調とは、明るさと鮮やかさの交差点です。
と、言葉だけではよく分からないと思うので上の図をご参照ください。
この図は縦軸が明るさ、横軸が鮮やかさで、そのバランスによってトーンが決まります。
トーンは色調なので、本来数字ではなくそれぞれの範囲ごとに名前を付けて呼びます。
そしてトーンは明るさ×鮮やかさなので、色味は関係ありません。
ここに色味が入ってくることで、目で見たときに色として認識できるようになります。
色の3大要素
上記の内容をちょっと詳しくお話します。
色には、色を表現するための(人間が目で見たとき色と認識するための)3大要素があります。
これは色の原理原則・絶対に例外はないものです。
その三大要素とは明度(明るさ)・彩度(鮮やかさ)・色相(色味)です。
この3つのバランスによって色が決まります。
明度(明るさ)
明度とは暗い・明るいです。
この図では横長ですが、上のトーンの図の場合縦に表されている部分です。
1番暗い黒から灰色のグラデーションで1番明るい白になっています。
彩度(鮮やかさ)
彩度とは濁っている・鮮やかです。
この図では例として赤系で表現していますが、左ほど濁り、茶色っぽい色味に見えます。
1番右が鮮やかな純色の赤です。
鮮やかさをコントロールすると、厳密には明度や色相も変化して見えます。
※環境によって違う色に見える可能性があります。
色相(色味)
色相とは(単純に)色の違いです。
図でお分かりのように色相がちがうと、こちらも厳密には明度・彩度が変化して見えます。
ヘアカラー見本として美容室にあるトーン表
ほとんどの美容室ではトーン表と言われる『毛束が沢山くっ付いたブック』があり、これはカラー剤を仕入れる時に各メーカーさんから色見本としてもらうものです。
美容室でこれを見せてもらって「今日はどんな色にしますか?」とカウンセリングされたことがある方は多いと思います。
そして、その通りの色になったという方は少ないと思います。
もちろんトーン表の使い方は自由なので、それ自体を否定するつもりはありませんが、本来(メーカー側としては)このトーン表はお客様に見せることは想定されていません。
あくまでも、美容師がその薬剤に含まれている色素・色味を知るためのサンプルです。
つまり、お客様とのカウンセリングで設定したゴールの髪色にするために、「どの薬剤つかおうかなー?」と美容師が見るためのものです。
もし美容室で見せてもらったときは、そのことを踏まえつつ、やっぱり最終的には写真を見せてもらうか毛束を当ててもらうかして、トーンを軸に今日のゴールを決めることをおすすめします。
ヘアカラーの明るさは【トーン】ではなく【レベル】
色の3大要素は明度(明るさ)・彩度(鮮やかさ)・色相(色味)とお伝えしました。
その中で実はヘアカラーの場合、単に明度(明るさ)のことを言う時はトーンではなくレベルという単位を使います。
なぜならトーンと言ってしまうと、必然的に彩度(鮮やかさ)が入ってきて、彩度(鮮やかさ)が入ってくるということは結局色相(色味)も混ざってきて、最終的に何を言いたいかワケが分からなくなってしまうからです。(何を言いたいか分かりますか?笑)
そこでヘアカラーにおける明度(明るさ)=レベルという考え方を抑えておきましょう。
レベルは15段階と20段階の考え方がありますが、ここでは20段階でお話ししていきます。
写真のように、1番暗い髪が黒の1レベル〜1番明るい髪が白で20レベルです。
髪の場合は、当然ながら黒髪を明るくしていく過程で黒~灰色~白にはなりません。
黒髪を明るくしていくと、黒~茶~オレンジ~黄~白と変化していきます。
そうなると厳密には、彩度(鮮やかさ)と色相(色味)もやや変化していくと言えなくもないですが、ヘアカラーの場合、彩度(鮮やかさ)と色相(色味)はあくまでもカラーの色素が乗った状態を言います。
つまり髪を脱色だけして色を染めていなければ、彩度(鮮やかさ)と色相(色味)は無いものとして考えます。
いったん染めたことがある髪でも、退色しきってカラーの色素が残っていなければレベルのみで明るさを判定します。
もちろんこれは美容師側が知っていれば良い話なので、お客様からはレベル・トーンどちらの話をしてもらっても大丈夫です。
ただ、『厳密にはトーンとレベルは違う』ということを知っておくと、美容師との話も噛み合いやすくなはずです。
ヘアカラーとトーンのまとめ
トーンの意味を理解して、やりたいヘアカラーのオーダーは出来そうですか?
ただ、今回お話してきた内容は基本的に1色染めを想定したものとなっています。
美容室ではそこからさらにハイライトやローライトなどのブレンドカラーを楽しむことができます。
つまり、別々のトーンや別々の色相を組み合わせるカラーデザインです。
と考えていくと難しそうに聞こえるかもしれませんが、最終的に考えるのは美容師なので大丈夫です(笑
ブレンドカラーにすることで、あなたに似合うあなただけのオリジナルカラーになるので、良ければこちらもぜひやってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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追記。
僕は小さいころから美容師になろうと思っていたわけではありません。
当然、ヘアカラーリストなんて知りもしませんでした。
どこにでもいる普通の少年でした。
でも高校生のときに少しずつオシャレに気持ちが向いてきて
自分の髪をセットしていても上手くいかなかったとき
=世の中にはそんな人が多いはず
=そんな人たちの助けになりたい!
といったような理由で美容師を志すようになりました。
美容専門学校生のときに、ヘアカラーリストとの出会いを経て現在にいたります。
この記事では、僕の生い立ちから、どのようなキッカケでヘアカラーリストになったかが分かります
僕はヘアカラーが大好きです。この仕事は天職とは言わないまでも、自分には向いてると信じて働いています。 この記事は、そんな僕の半生の物語です!
*1:ヘアスタイル画像は全てオフィシャルホームページより:
*2:画像元: