「あっ!白髪なんて今まで無かったのに発見しちゃった!どうしよう・・・」
「オシャレのためにずっとヘアカラーをしていたけど、白髪が多くなってきたから、そろそろ白髪染めに変えた方が良いのかなぁ・・・?」
「どんどん白髪が増えていって、染める周期が早くなってきているけど、このままで良いのか不安だな」
「白髪染めをやめてグレイヘアにしていきたいけど、どうしたら良いか分からない」
日々、お客様の髪を染めさせていただく中で、このような声を多く聞きます。
・白髪染めっていつから始めるのが良いんだろう?
・どのくらいの頻度で染めるのが正解?
・白髪染めをやめたいときはどうしたらいいの?
・そもそも白髪染めって何?
今回の記事は、このような白髪染めに対しての疑問を全て解決する内容です!
・24時間、白髪に悩んでストレスを抱えなくて良くなります。
・白髪染めで肌荒れやアレルギーの心配をしなくて良くなります。
・染める頻度が開けば、かける時間やお金はもっと少なくてすみます。
・白髪染めにこだわらず、オシャレな、似合うヘアカラーデザインが分かります。
キーワードは【隠す】・【ぼかす】・【生かす】。
この3パターンに当てはめながら、あなたにとって最適な白髪染めの方法をご紹介します。
さて、白髪に関しての悩みは尽きないものですよね。
実は白髪への悩みの歴史は古く、例えば有名な『平家物語』の作中には、敵に弱みを見せないように、そして自分の誇りのために白髪染めをして出陣した、という話があります。
実盛は、私に会っては 六十を過ぎて合戦に赴こうとするときは、鬢や鬚を黒く染めて若々しくあろうと思うのだ
そのわけはな、若い者たちと争って先駆けるのも大人げないからだ
また老武者と人に侮られるのも悔しい と言っておりました
本当に染めておられたとは 洗わせて、ご検分くださいと言うので、義仲殿が そうなんだろう と洗わせてみると、白髪になった
(引用 : 日本古典文学摘集)
平家物語自体は創作物で、作者や成立年など正確なことは分かっていないものの、おそらく鎌倉時代に成立したと言われています。
正確なことは分かっていないとはいえ、かなり古いものであることはイメージできますよね。
それくらい昔から、白髪染めの歴史はあるということなんです!
というわけで、こんにちは。 ヘアカラーリストの今井です。
実は僕も、30代になってからチラホラ白髪が生えてきて、気になるようになりました。
今まで無かった白い毛が生えてきたので、今は、少ないからこそ目立つという状態です。
人によっては、もっと若い年齢から白髪が気になっている方もいるでしょうし、逆に年齢を重ねても、ほとんど白髪が生えてこない方もいます。
ちなみに僕の場合は、全部の髪を白髪染めにしないで、地毛の黒髪は残しながら茶色の線を入れていく『ハイライトカラー』という方法で染めることで、白髪をぼかすようにしています。
白髪が生えてくるタイミングは人それぞれ。
白髪染めの方法も人それぞれ。
染めたあと生えてくる白髪が気になる周期も人それぞれ。
白髪染めは本当に千差万別なので、何か正解なのか、何が正しい情報なのか、イマイチ分かりにくいですよね。
そこで、最新かつ正確な情報をお届けすることで、白髪染めに対しての悶々とした気持ちから解き放たれてほしいんです!
のちほど、某メーカーの方にインタビューした情報もお届けしますので、楽しみにしていてください(^_^)
そもそも白髪って何?
まず、白髪染めについてお伝えする前に、そもそも白髪とは何なのか?ということについてお伝えしていきます。
白髪とは、文字通り白い髪。
昔は白髪が生えることを比喩表現として『霜が降りる』とも言ったそうです。
なんとも美しい言葉に置き換えていましたね。
多くの日本人は、もともといわゆる黒髪ですよね。
実はこの黒髪も、例えば北欧系の人のブロンドヘアも、髪はメラニン色素で染まってます。
そう、肌の日焼けやシミの原因と同じ、あのメラニン色素です!
イメージとしては、毛穴の奥深くには髪を作る工場があり、そこでは髪の毛を作る【毛母細胞】と、作られた髪の毛にメラニン色素で色をつける【メラノサイト(色素細胞)】がいます。
簡単に言うと、毛母細胞から髪の毛が作られると同時に、メラノサイトがメラニン色素で髪を染めるイメージです。
なので、メラノサイトが様々な原因で仕事をしなくなる、もしくは、メラノサイト自体がいなくなってしまうと、当然ながら白い髪の毛が生えてきます。
しかし髪の毛自体は、メラノサイトがいてもいなくても、毛母細胞が元気であれば作られます。
これが白髪です。
白髪の正体は分かりましたか?
では次に、メラノサイトが仕事をしなくなる(いなくなってしまう)原因を見ていきましょう。
白髪が増えると言われる8つの原因とは?
実は、白髪の原因はまだ正確に判明していません。
ですが、「白髪が増えてしまう原因」と俗に言われているパターンは、皆さん色々聞いたことがあると思います。
よく聞くのは、遺伝・加齢・ストレス・ホルモンバランス・生活習慣・活性酸素・ヘアカラーの繰り返し・病気やケガという8つです。
1つずつ掘り下げてみましょう!
遺伝
医療の分野としては、今のところ、加齢によって白髪になるという遺伝子はないという見解です。
とは言っても「遺伝してるじゃん!」というケースはありますよね。
ちなみに、僕の母はほぼ真っ白です。 そして、母方の祖母(つまり母の母)も真っ白でした。 となると、やっぱり遺伝かな?って思っちゃいます。
でも全員が全員、白髪が遺伝するのか?というとそうでもなく、例えば「親は白髪が全く無いのに自分は結構目立つ」なんて方もいます。
ということで、遺伝はまだまだ研究の余地がある部分です。
加齢
年齢を重ねていくと、単純にメラノサイトのメラニン色素生成能力が落ちていくので、白髪が生えてきやすくなります。
加齢によって血行不良になる可能性もあります。
当然ながら、髪の毛も血から栄養をもらって作られているので、血行が悪くなると、白髪だけではなく薄毛の原因にもなります。
ストレス
強いストレスを受けて、一夜にして全部の髪が真っ白に・・・!
フランスでは、『マリー・アントワネットの白髪伝説』という話が実際にあり、『マリー・アントワネットが処刑前日に一夜にして全部の髪が真っ白になった』と言われているものです。
このシーンは、有名なマンガ『ベルサイユのばら』にも描かれています。
しかし、医学的には一夜にして全部の髪が真っ白になることは、ありえません!
今生えている髪は、ブリーチをするか、過度に塩素や紫外線を浴び続けるなど、ダメージをしないと明るくならないためです。
そして、どれだけダメージしても真っ白まで明るくなることは、ほぼありません。
ストレスは、毛穴の奥で、今から作られる髪に対して影響します。
ストレスを受けると、血行が悪くなり、頭皮に血が周りにくくなります。
毛穴の奥で作られた髪の毛が頭皮から顔を出すのは、早くても約3ヶ月ほどかかるので、『ストレスで白髪が増えるのは、ストレスを感じてから約3ヶ月後から』です。
ただし、ストレス性の白髪は、根本の原因であるストレスが解消されれば、またもとの髪色に戻る可能性は高いです。
ちなみに、冒頭のマリー・アントワネットの話。
これは、王妃としての生活から、フランス革命後の数年にわたる獄中生活へ転落したことによる多大なストレスで白髪が一気に増えたこと。
そして、肖像画や全盛期のイメージに比べて、処刑台へ姿を現したときのイメージがあまりにもギャップがあったことによって「マリー・アントワネットの髪が急に白髪になった!」という話が広まったためだと思われます。
ホルモンバランス
様々な理由でホルモンバランスは変化します。
もちろんストレスも影響しています。
髪は、主に女性ホルモンの影響を受けて生えているので、ホルモンバランスが崩れることで白髪や薄毛の原因になります。
そして、成長ホルモンも大切です。
成長ホルモンは、新陳代謝を高め、体が受けたダメージを回復してくれるホルモンです。
代謝が高まることで、毛根に栄養が行き渡り、日中受けた頭皮のダメージも回復してくれるので、こちらもものすごく大切です。
成長ホルモンは主に、夜寝ている間に分泌されるので、睡眠はしっかり取りましょう。
生活習慣
昔から「白髪・薄毛は、昆布やワカメを食べれば治る!」と言われてきました。
しかし、これは完全に都市伝説です。
科学的根拠はありません。
食べ物から得られる栄養素の中で、メラニン色素を作るために必要なものはミネラルの銅です。
メラニン色素を作るためには『チロシナーゼ』という酵素の働きが重要ということが分かっています。
そのチロシナーゼを活発にするのには、銅が必要なのです!
銅は、大豆・かんぴょう・あんず・干しシイタケ・うなぎ・レバー・カカオなどに入っています。
これらの食べ物を意識して取るようにすれば良いのですが、『銅だけとれば白髪にならない』ということではないので、やっぱりバランスの良い食事をした方が結果的には良いと思います。
それと、やっぱりちゃんと寝ることです。
特に23時〜2時の成長ホルモンが出ると言われる時間。
その時間を挟みつつ、毎日7〜8時間しっかり睡眠をとることで、血行も良く、代謝も良く、抵抗力もあって万全の状態になります。
僕も意識はしていても、毎日7〜8時間は寝られていませんが・・・。
活性酸素
活性酸素は、紫外線やストレスによって生まれます。
ここでもストレスが出てきましたね・・・。
活性酸素は細胞を酸化させます。
酸化するというは、細胞が錆びるイメージです。
例えば、金属が錆びることをイメージしてもらうと、厄介なことが分かりやすいと思います。
つまり細胞が錆びるとは、イコール細胞が老化するということです。
しかも、『頭皮に発生した活性酸素が真っ先に攻撃するのはメラノサイトである』ということが分かっています!
活性酸素を取り除く方法は、抗酸化作用と言われる方法です。
抗酸化作用は食べ物を工夫したり、サプリを飲んだり、頭皮用の美容液を使うなど様々な方法があります。
ヘアカラーの繰り返し
「白髪染めを繰り返すと、白髪は増えるの?」
と良く聞かれます。
ヘアカラー自体は、髪だけではなく頭皮にもダメージがあります。
断定はできませんが、何もケアせずにヘアカラーを繰り返すのは白髪の原因の1つと言えるかもしれません。
ちなみに、ヘアカラーは活性酸素も発生させます。
ただ、今はカラー剤自体の質が良くなっていることや、前後のトリートメントなどで、かなりダメージを軽減できるので、しっかりケアをする前提であれば、ほぼ問題はありません。
ヘアカラー施術前には、頭皮用の保護クリームをつけるなど事前の対策もあります。
それでも心配であれば、カラー剤が頭皮に付かないように塗ることもできます!
病気やケガ
病気やケガが原因で白髪になってしまうこともあります。
ストレスと同じように、原因が解決すれば、また黒髪に戻る可能性はあります。
しかし、メラノサイトがなくなってしまった場合、黒髪に戻るのは難しいと言えそうです。
さて、色々な原因があることは分かっていただけたと思いますが、あなたは白髪を発見したらどうしていますか?
白髪を発見しても抜いちゃダメですよ!
「短い毛が飛び出してくるのはイヤだから抜く!」
「抜くのは痛いから切る」
「発見も何も、多すぎるから染めるしかない・・・」
色々なパターンがあると思います。
ここで注意点としては、抜いちゃダメ!ぜったい!です。
本来抜けるはずのない髪を抜くと、毛穴から雑菌が入ってしまうこともあります。
頭皮が炎症を起こして皮膚炎になってしまうなど、別の問題になる可能性があります。
また、人の髪は、一生で生える変わる回数が決まっているって知っていましたか?
もちろん個人差はありますが、約15~25回生え変わると言われています。
研究者によって回数に開きはありますが、無限に生え変わるわけではないとご理解いただければOKです。
そして、1本の髪の毛の寿命(作られてから自然脱毛するまで)は約3〜5年です。ここでは、真ん中をとって4年としましょう。
計算すると・・・
15回×4年=60年
25回×4年=100年
そう、なにも問題なく自然に生え変わるだけで、計算上、60年~100年はフサフサのはずなんです!
しかし、それを抜いてしまうと、その後でまたすぐに次の髪の毛を作り始めます。
通常の周期より早まりますよね?
それを繰り返すと・・・髪の毛が生えてこなくなっちゃいます!
白髪でも、生えていれば染めるなり切るなりできますが、生えてこなくなっては困るはず。
さらに、『年齢が高いほど、髪が抜けるときにメラノサイトも一緒に抜けていくことが多い』ということが最新の研究で分かっています。
ということは、白髪とはいえ、今、生えている髪の毛根をしっかりケアすれば、また黒い髪が生えてくる可能性があるということ。
つまり!抜けば抜くほど、黒髪になる可能性は低くなっていくということです!
ですので、絶対に抜かないことをおすすめします!
世の中には『白髪抜き専門のお店』もあるようですが・・・
そもそも白髪染めって何?
白髪染めとは、文字通り白髪が染まるように配合してあるカラー剤のこと。
一方で、白髪は染まらなくても黒髪を明るくしながら色を楽しむカラー剤のことを、オシャレ染めやファッションカラーと呼びます。
と、一昔前までは白髪染めとオシャレ染めは完全に分かれていました。
市販のカラー剤は、今でもほぼこのタイプですね。
しかし今は、美容室で扱うカラー剤に関しては、薬剤どうしをミックスして使えるようになっているので、白髪染めとオシャレ染めの境界線は曖昧になってきています。
限界はありますが、ある程度であれば、白髪を染めながら明るさや色味を楽しめるようになっています。
メーカーさんによっては、白髪染めの薬剤と、オシャレ染めの薬剤を違うラインとしてリリースしていても、「お互い混ぜてOKです」と言っていることが多いです。
逆に、同じラインの中で、『濃いめの薬剤は白髪も染まる』というように作られている薬剤は、濃いめと明るめをミックスすることで、白髪を染めながら明るくできるというケースもあります。
オシャレ染めから白髪染めに変えるタイミングは?
「ずっとオシャレ染めをしてきていたけど、白髪が気になるから白髪染めに変えようかな・・・。」
そう思っている方は多いですよね。
でも切り替えるタイミングがよく分からない。
白髪の気になる度合いは人それぞれなので、一概に「今です!」とは言えませんが、まず考えたいことは、『どの部分の白髪が気になるのか?』ということです。
・髪を下ろした状態で、表面や顔まわりの白髪が気になる
・表面は気にならないけど、分けた時や髪を結んだ時の内側の白髪が気になる
まずは、自分がどちらのパターンなのかを考えてみてください。
髪を下ろしている方が多いか、結んでいる方が多いかで、白髪を染めた方が良いかを判断していただくと良いと思います。
後ほど色々な染め方をご紹介しますので、そちらも合わせて参考にしていただければ幸いです。
さて、白髪が染まる薬剤を白髪染めと言っているものの、カラー剤は染まり方別に色々な薬剤があります。
どんなものがあるのか見ていきましょう。
白髪を染める薬剤は大きく分けて2種類
白髪染めとして使われる薬剤は、大きく分けて2種類あります。
医薬部外品と化粧品です。
医薬部外品は、医薬品ほどではないけど、体に対して効果効能がそこそこあるもの。
化粧品は、体に対しての効果効能はないもの、というように分類されています。
さらにそれぞれの中に細かい分類がありますが、ざっくりと3パターンに分けてお伝えします。
3パターンとは永久染毛剤・半永久染毛料・一時染毛料です。
「え…?永久と半永久…??」
急に難しい言葉で分かりにくいですよね。
それぞれを簡単な言葉で表すと、医薬部外品の永久染毛剤は『白髪を染めると、約2~3ヶ月で色落ちする』タイプ。
化粧品の半永久染毛料は『白髪を染めると、約1月くらいで色落ちする』タイプ。
そして、同じく化粧品の一時染毛料は『白髪を染めると、約1日で色落ちする』タイプのカラー剤ということです!
医薬部外品 | 化粧品 | 化粧品 |
---|---|---|
永久染毛剤 | 半永久染毛料 | 一時染毛料 |
白髪染め・アルカリカラーなど | ヘアマニキュア・カラートリートメントなど | ヘアマスカラ・ヘアコンシーラーなど |
まだややこしいと思うので、もっともっとシンプルにしてみましょう。
医薬部外品は『ずっと色が残っている』タイプ、化粧品は『しばらくすると色落ちする』タイプと覚えておけばOKです!
では、『ずっと色が残っている』タイプと『しばらくすると色落ちする』タイプって具体的に何が違うと思いますか?
『ずっと色が残っている』or『しばらくすると色落ちする』
『ずっと色が残っている』タイプは、白髪染めに限らず、オシャレ染めも含めて、1番普及しているタイプのカラー剤です。
アルカリカラー剤と呼ばれています。
良く言われるように、人の肌や髪は弱酸性。
その逆のアルカリ性の力を使うことで、髪や頭皮に少しダメージがあるものの、その分、髪の内側までカラー剤がしっかり入っていって、しっかり染まります。
しっかり染まる分、ほぼ色味が落ちていかないので、ちょっと大げさですが、分かりやすい分類として『永久染毛剤』としています。
『しばらくすると色落ちする』タイプは、シャンプーするごとに、染めた色が落ちていくタイプのカラー剤です。
ヘアマスカラ・ヘアマニキュア・カラートリートメントなど色々あります。
お出かけの直前に一時しのぎとして付けて、その日の夜のシャンプーで落ちるタイプのもの。
他には、色味にもよりますが、長くても1ヶ月程度でほぼ色味を感じられなくなるタイプのものなどがあります。
それらを総称して『半永久染毛料』・『一時染毛料』としています。こちらもやや大げさですが。
一時染毛料の一例として、代表的なカラートリートメントに『利尻ヘアカラートリートメント』があります。
白髪が染まる染料が入っている、利尻昆布由来の保湿成分を含んだトリートメントです。
トリートメントなので、頭皮にも髪にもダメージはありませんが、1回使っただけではしっかり染まりません。
何回も使うことで染まり具合が濃くなっていくものです。
オーガニックのカラー剤はどの分類?
オーガニックのカラー剤として1番有名なヘナ(ヘンナ)。
ヘナという植物で出来ているので、100%オーガニックのものであれば、髪や頭皮にダメージはありません。
髪を明るくすることはできないので、基本的に白髪染めとして使われます。
分類は、ちょっと特殊で、注意が必要です。
というのも、ヘナは100%のものと、ジアミンを配合してあるものがあるからです。
ジアミンについて詳しくは後述しますが、ひとまず、
ヘナ100%は化粧品。
ジアミン配合は雑貨(医薬部外品でも化粧品でもない)という扱いです。
ジアミンを配合する理由は、発色と色持ちを良くさせるためです。
そして、ジアミンという物質はアレルギーを起こす可能性があります。
配合されることで医薬部外品になる・・・かと思いきや、ヘナとジアミン両方を配合してあると、厚生労働省から医薬部外品として認可が下りないので、雑貨となりました。
さて、ジアミンを含め、「カラー剤は頭皮に良くない」ということを言われることがありますが、実際のところ体に対しての影響はどういったケースがあるのか見ていきましょう。
白髪染めって頭皮に良くない?
「頻繁に白髪染めをすると体に良くない」
「カラー剤は発がん性がある!」
ということは、昔からチラホラ言われています。
カラー剤の心配な点として良く言われる『アレルギー』と『発がん性』についてお伝えします。
アレルギーについて
主に、永久染毛剤のアルカリカラー剤に入っているアレルギー成分として『ジアミン』というものがあります。
ジアミンは、カラー剤の発色・着色を良くするという重要な役割のある成分なので、永久染毛剤にはほぼ入っています。
その中でもダントツで配合されているのが、『パラフェニレンジアミン』という成分。
カラー剤のパッケージを見てみると、内容成分に書かれています。
<主にカラー剤に使われているジアミンの種類>
パラフェニレンジアミン | パラアミノフェロール |
メタアミノフェロール | トルエン-2.5-ジアミン |
などです。
ちなみに最近では、ジアミンが入っていないカラー剤も色々なメーカーから出てきています。
ジアミンはアレルギー成分です。
例えば花粉症のように、1度発症してしまうと完全に治すことはできません。
症状としては、かぶれ・皮膚炎などが出てきます。
もしジアミンアレルギーになってしまった場合は、半永久染毛剤に切り替えるなどして、対処しましょう。
心配であれば、カラーをする前にパッチテストをしましょう。
パッチテストとは、今から染める予定のカラー剤を使って、ちょっとだけ腕の内側を染めてみる方法のことです。
その状態で30分後と48時間後の経過をみて、異常がなければOK!ということになります。
発がん性について
アレルギーだけではなく、もうひとつ都市伝説のように言われているのが『発がん性』。
「ヘアカラーは皮膚がんになるからやらない!」
という話を聞いたことはありませんか?
発がん性については、国際ガン研究機関から発がん性分類という一覧が発表されています。
発がん性の科学的根拠の確かさを示す一覧で、色々な成分がグループ1〜グループ4に分かれています。
グループ1 | 発がん性がある |
グループ2A | 恐らく発がん性がある |
グループ2B | 発がん性の恐れがある |
グループ3 | 発がん性を分類できない |
グループ4 | 恐らく発がん性はない |
※すべて人に対して
そして、パラフェニレンジアミンを含む、ヘアカラー全般はグループ3。
もう少し詳しくお伝えすると、グループ3は、人に対しての発がん性に関して不十分な証拠しかないグループとのことです。
そしてグループ3は、コーヒーやお茶などと同じグループです。
そう考えると(捉え方は人それぞれですが)少なくともグループ1〜2ではないというだけでも、過度に心配することは無さそうでじゃないですか?
白髪を染める場所は大きく分けて2ヶ所
いざ白髪を染めようと思ったとき、染める場所はおおむね『美容室で染めてもらう』か『市販のカラー剤を使い、家で染める』という選択になるはずです。
この2択、それぞれのメリット・デメリットはどういったものがあると思いますか?
『美容室で染めてもらう』or『市販のカラー剤を使い、家で染める』
『美容室で染めてもらう』メリット・デメリットは、それぞれ以下のようなケースがあると思います。
・座っているだけなので楽
・プロの美容師が塗るので、ムラなく綺麗
・髪や頭皮のダメージにも配慮してカラー剤をチョイスしてくれるので、安全性が高い
・料金は施術料が含まれる分、高い
・時間を作って美容室に行かなければならない
・人との会話が苦手な方は、美容室がちょっとしんどい
といったところでしょうか。
メリットとは少し視点が違いますが、美容室では、髪質や頭皮のコンディション、白髪染めの方法に合わせて、最適なトリートメントがチョイスできることもポイントですね。
次に『市販のカラー剤を使い、家で染める』メリット・デメリットのケースです。
・カラー剤自体が安い
・よほど選ばなければ、スーパーやコンビニでも売っている
・自分の好きなタイミングで出来る
・ムラ染まりになる可能性がある
・髪のコンディションによってカラー剤の強さを変えられない
・お風呂場など汚れる恐れがある
ということが挙げられると思います。
おおむね美容室と市販品とで、メリット・デメリットは正反対というイメージですね。
次に、メリット・デメリットという観点とはまた違った切り口です。
市販のカラー剤を製造しているメーカーさんにインタビューをしましたので、メーカーさんの意見を聞いてみましょう。
メーカーインタビュー
※実際にインタビューをすることはできたのですが、社名は伏せて欲しいとのことでしたので、ここでは某有名ヘアカラー剤製造メーカーA社様とさせていただきます。
よろしくお願いします。
A社の主任です。こちらこそ宜しくお願い致します。
まずはザックリとお聞きしますが、市販のカラー剤と、プロフェッショナル用では何が違うのでしょうか?
1番の違いは【目的】と言えます。 市販品の目的は、染めた1回目で良さを感じてもらうことです。 染めやすさ・発色の良さ・色持ちの良さなどのメリットを、1回目で感じてもらわないといけないからです。 対してプロ用は、継続して何度も使っても、お客様・美容師さん共に良いものと感じてもらえるように、という目的です。 同じお客様に何度も使っても、思い通りの色が出ることや、ダメージが蓄積していきにくいように作られています。
なるほど。 1回で良さを感じられるか、継続しても良さを感じられるかの違いなんですね。 他には違うところはありますか?
ダメージの違いがあります。 アルカリカラーの場合、アリカリ成分が髪の内部に残っているほど、髪にダメージを与えてしまいます。 それは分かっていても、市販品は揮発しにくいアルカリ成分(主にモノエタノールアミン)を使うことが多いです。 揮発する=空気中に臭いが広まるということなので、お風呂場などで臭いが充満しないようにするためです。 対してプロ用は、揮発しやすいアルカリ(主にアンモニウム)を使うことでダメージを抑えています。 臭いは強い成分ですが、美容室という、ある程度広い空間に臭いが広まるので、あまり気にならないためです。
臭いとダメージは関係しているんですね。
はい。 とは言え、市販品のパフォーマンスはかなり向上しているので、アルカリでダメージさせてしまう分、トリートメント効果が高いものをブレンドすることでダメージを抑えるようにはしています。
なるほど。 値段が安いことも市販品の魅力かな?と思いますがいかがですか?
実は、カラー剤という大きな括りでは、市販品もプロ用も製造コスト・単価ともにそこまで大きく変わりません。 市販品を安くご提供するために、あえて質を落とした原価の安い成分を使うということはないのです。 そして当然ながら、美容室では施術料金なども上乗せされるので、市販品の方が相対的に安く感じるということだと思います。
僕も市販品の方が断然安いものだと思っていました。 次に、市販品の注意点などはありますか?
市販品で注意点をあげるとすれば、塗布量と放置時間です。 基本的にお客様ご自身に施術してもらう用に作られている仕様上、メーカーからは目安を記載することしかできず、塗布量と放置時間のコントロールはお客様にお任せするしかありません。
塗布量と放置時間は、髪質や伸び具合、ダメージなど様々な計算が必要ですから、そこはプロでないと難しいですしね。
はい。ですので、最初の話に戻りますが、市販品は1回目にお使い頂いたときの扱いやすさなどが求められるという訳です。
ありがとうございます。 最後になりますが、市販の白髪染めと美容室のヘアカラーの歴史について教えてください。
はい。 日本での、市販の白髪染めの歴史は長く、弊社のアーカイブによると、明治42年(1909年)に白髪を真っ黒に染めるための染め粉が発売された、とあります。 どこの美容室へ行っても、当たり前のように白髪染めというメニューがあるようになってからは、まだ40年弱ほどなので、市販品の方が長い歴史があるんですよ。
市販品は100年以上も歴史があり、逆に美容室はまだ40年足らずしか白髪染めのメニューが無いんですね! 美容室のヘアカラーの歴史がすごく浅いことにもびっくりしました! 今日は貴重なお時間ありがとうございました!
ありがとうございました。
いかがでしたか?
僕も知らなかった情報が色々と聞けて、勉強になりました。
白髪を染める方法は大きく分けて2つ
白髪を染める場所の他に、もうひとつ考えてみたいことは、白髪を染める方法についてです。
これも大きく分けて2通りの方法で、『1色で染める』か『デザインを入れて染める』のかに分けられます。
あなたは今、どちらの方法か分かりますか?
『1色で染める』or『デザインを入れて染める』
『1色で染める』というのは、読んで字のごとく、1つのカラー剤で根元から毛先まで染める。
あるいは、2種類以上のカラー剤を使って、根元から毛先までの仕上がりが1色に見えるように染める、というパターンです。
『デザインを入れて染める』というのは、具体的にはハイライトやローライト、グラデーションカラーなどのように、全体を1色に染めるのとは違ったヘアカラーのことです。
市販のカラー剤で家で染める場合は難しい方法ですが、よりデザインを楽しむことができ、オリジナリティーも出しやすいです。
半面、料金や時間は1色で染める場合よりもかかってしまうケースが多い方法です。
今の時代は染め方・薬剤も多種多様なものから選べますが、その中で皆さんは【ハイライト】というヘアカラーをしたことはありますか?今回は、ヘアカラーの方法の一つ【ハイライト】についての記事です。
実は、1色に染める方法とデザインカラーを組み合わせたり、デザインカラーを応用することで、白髪を染めるときには3つのイメージに分けることができます。
白髪を染める3つのイメージ『隠す・ぼかす・生かす』
染め方を工夫することで、『隠す・ぼかす・生かす』と、3つのイメージに分けることができます。
今、ご自身がどのイメージに当てはまるか?
今後、どのイメージになっていきたいか?
考えながら読み進めてもらえればと思います。
隠す
隠すパターンは2つあります。
どちらもしっかり白髪を染めるということに変わりありませんが、1つは、伸びてきた白髪を1色でしっかり黒~茶色に染めることです。
一般的に白髪染めというと、このケースに当てはまりますよね。
隠す染め方から1歩進んだカラーデザインもあります。
白髪はしっかり染めつつ、ハイライトをブレンドして、次に伸びてきた白髪との境い目を目立ちにくくするカラーデザインです。
もう1つは、全体は染めずに、白髪のみすくい取って、暗い色に染めるパターンです。
明るい線を入れるハイライトとは逆に、暗い線を入れるローライトという染め方です。
このパターンの場合、全体的に負担がかからないというメリットがある半面、白髪を1本1本すくい取るテクニックが必要なので、あまり白髪の本数が多い場合は、すべての白髪をすくい取ることは難しいと言えます。
ぼかす
ぼかすパターンも2つあります。
ぼかすとは、つまり『白髪を染めていなくても、目立たなければOK』という考え方です。
1つは、白髪は染まらなくても、明るめの色味で1色に染めるパターン。
もう1つは、ハイライトをブレンドすることで、白髪がハイライトに混ざって目立ちにくくなるようにデザインしてしまうパターンです。
こちらは更に2つパターンがあり、全体を明るくして、茶髪+ハイライトというパターンと地毛を全部染めないで、黒髪+ハイライトというパターンがあります。
生かす
生かすパターンも2つ。
1つは、白髪もデザインとして生かすように染めるパターンと、もう1つは白髪スタートじゃないと出来ない淡い色味を楽しむパターンです。
『隠す・ぼかす・生かす』と、それぞれの染め方はイメージできましたか?
色々な方法で白髪染めをすることは出来ますが、今度は、その周期について考えてみましょう。
白髪染めのベストな頻度は『今後どうしていきたいか?』次第!
白髪染めの頻度って、どのくらいがベストなのか迷うと思います。
黒髪に対しての白髪の割合が◯%の場合は・・・ って言われても、自分では分からないですよね。
まず気にして欲しいことは、髪ではなく、頭皮のターンオーバー(新陳代謝)です。
肌は常に少しずつ、古い肌が剥がれ落ちて新しい肌に生まれ変わっています。
これをターンオーバーと言います。
このターンオーバーの周期は、正常な肌で約28日間。
つまり『28日間かけて、全ての肌が生まれ変わる』という周期です。
ただし、年齢と共にこの周期は少し伸びていくので、個人差を考慮すると約28〜45日間=約1ヵ月〜1ヵ月半と考えてもらうと良いでしょう。
さて、先ほど、『ヘアカラーは頭皮にもダメージがある』とお伝えしました。
一旦ダメージを受けた頭皮が、ターンオーバーによって生まれ変わるのが1ヵ月〜1ヵ月半と考えると、出来ればその期間はヘアカラーを控えたいところです。
頭皮のことをも考えるのであれば、白髪染めのベストな周期は1ヵ月〜1ヵ月半というのが1つ、目安となります。
とは言え、見た目やデザインなど、考えなければいけない要素はまだまだありますよね。
そこで僕からのご提案としては、『今ではなく、ちょっと先の未来を見てみる』ということです。
例えば『今日、白髪染めをして、次はいつ染める?』というのは、もちろん大切です。
しかし、『今後、どういったヘアカラーデザインにしていきたいか?』によっても、ベストな周期は変わってきます。
白髪のある無しに関わらず、そして今、白髪染めかどうかに関わらず、ゆくゆくどんなヘアカラーにしたいかをいったん考えてみてください。
それによって、美容室で染めている方には、美容師側のご提案も変わってきます。
周期を判断する時のポイントは、伸びてきた時の気になりやすさです。
黒髪が多ければ、全体的に暗めのヘアカラーの方が境い目は分かりにくいです。
白髪が多くなるにつれて、明るめに染めていくと良いでしょう。
ハイライトやローライトをブレンドしながらカラーしていくと、より境い目は目立ちにくくなります。
そして、境い目が目立ちにくいほど、白髪が伸びてきても気になりにくくなります。
白髪染めをやめていく場合の方法は?
白髪染めを繰り返していると、だんだん白髪を染めることが義務みたいになってきませんか?
最初はオシャレのために染め始めたはずなのに、いつしか「根元が伸びてきたから、また染めないといけないな・・・」と。
少し前に、アナウンサーの近藤サトさんが白髪染めをやめてグレイヘアにしたことが話題になりましたよね。
それを皮切りに、お客様でも「白髪染めをやめていきたい」とおっしゃる方が増えました。
と同時に、「どうしたら良いか相談したい」と言う声も聞きます。
白髪染めをやめていく方法としては、具体的に2通りの方法があります。
1つめは、今の染め方を一切考えず、思い切って『もう染めない』という方法です。
地毛を伸ばして、毛先の染まっている髪の毛を切っていくだけ。
なんやかんやで、この方法が1番早くグレイヘアにできます。
が、相当勇気が必要です・・・。
2つめは、染めながら少しずつ明るい色にしていく方法です。
ザックリした流れとしては『ブラック→ダークブラウン→ブラウン→ベージュ→グレイ→地毛』というイメージです。
さらに応用として、1色ではなく、ハイライトやローライトをブレンドすることで境い目をぼかしていくこともできます。
全部染めなくても、ハイライトだけでぼかす方法なら、あまり長い期間もかからず、境い目をものすごく我慢しなきゃいけないということもないので、白髪染めをやめていきたい方におすすめの方法です。
白髪を増やさないためには頭皮ケアも大切!
ここまでずっと、『白髪が生えている』という前提で色々な情報をお届けしてきました。
でも、そもそも出来るだけ白髪を増やさないというアプローチも必要ですよね。
そのためには、頭皮ケアが最善の方法です。
なぜならば、白髪に限らず、髪は頭皮から栄養をもらって生えているからです。
1番手っ取り早くて、1番効果が出やすいのは今のところ、頭皮用の美容液を付けること&頭皮マッサージをすることです。
頭皮用の美容液には色々なタイプの美容液がありますが、保湿・保護・ハリコシ・抗酸化作用といった効果があるものを選びましょう。
美容液を付けて、頭皮用のブラシなどでマッサージすれば完璧です。
保湿・保護は、頭皮のバリア機能を高めてくれます。
ハリコシは、頭皮をたるませないようにしてくれます。
頭皮がたるむと、顔の方に落ちてきます。
そうすると、顔のシワも増えてしまいます・・・!
ですので、頭皮のハリコシも大切です。
抗酸化作用というのは、白髪が増える原因の部分で触れた、活性酸素を除去する作用のことです。
いらない活性酸素を分解してくれることで、メラノサイトを守ってくれるので、直接、白髪予防をしてくれます!
白髪染めで悩んでいる全ての方へ
白髪って、本当に気になりますよね。
単純に、実年齢関係なく、視覚的に老いを感じてしまうからだと思います。
僕も30代後半になって白髪が増えてくるにつれ、その気持ちが良く分かるようになりました。
「今よりもっと白髪が増えてきたらどうしよう・・・」という悩みもあると思います。
『気になるくらいなら染めちゃう』というのも一手です。
ですが、一旦ぜひ美容師に相談してみてください。
その場でやる、やらないは別としても、新しいアイデアをお伝えすることはできます。
でも、ポイントはネガティブに捉えすぎないことです。
白髪をぼかすようにカラーすることで、明るさや色味は好きなように楽しめます。
白髪を生かせば、逆に白髪がないとできないヘアカラーを楽しめます。
ハイライトやローライトをブレンドすれば、脱・白髪染めをして、オシャレ染めにチェンジすることも可能です。
少しでも、あなたにとって白髪染めが義務ではなく、オシャレの一環となりますように◎
僕で良ければ何でもご相談ください(^_^)
ご相談のみでももちろんOKです。
ご予約も承っております。
トップページのお問い合わせフォーム、または下記のLINEQRコードをご利用ください。
kakimoto armsの僕のプロフィールはこちらから。
そのままweb予約もできます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
追記。
僕は小さいころから美容師になろうと思っていたわけではありません。
当然、ヘアカラーリストなんて知りもしませんでした。
どこにでもいる普通の少年でした。
でも高校生のときに少しずつオシャレに気持ちが向いてきて
自分の髪をセットしていても上手くいかなかったとき
=世の中にはそんな人が多いはず
=そんな人たちの助けになりたい!
といったような理由で美容師を志すようになりました。
美容専門学校生のときに、ヘアカラーリストとの出会いを経て現在にいたります。
この記事では、僕の生い立ちから、どのようなキッカケでヘアカラーリストになったかが分かります
僕はヘアカラーが大好きです。この仕事は天職とは言わないまでも、自分には向いてると信じて働いています。 この記事は、そんな僕の半生の物語です!