「髪を染めたことはなかったけど、白髪が気になってきたから家で染めてみたら、なんだか思っていたよりも暗くなってしまった・・・」
「いつもは美容室で明るく白髪染めをしてもらっているけど、時間がとれなくて伸びてきた根元だけ白髪染めしようとしたら、毛先が黒くなっちゃった!思ったよりも暗くなっちゃった!」
普段白髪染めをしている方も、初めて白髪染めをやってみたと言う方も、せっかく染めるなら誰だってキレイに染めたいですよね。
日々ヘアカラーリストとして働いていると、「白髪染めで暗くなった髪を明るくしたい」とご相談くださるお客様がよくいらっしゃいます。
ということで、こんにちは。
ヘアカラーリスト今井です。
難しい髪のお直しほどお任せください!
今日はそんなお悩みを解決する方法と、家で染めるときのちょっとしたコツをお伝えします!
・暗くなっちゃった毛先の対処方法が分かります。
・家で染めるときのコツが分かります。
・常にキレイでいられて、毎日の生活がハッピーになります♪
まずは早速、僕のお客様のお悩みを解決した流れをご覧ください!
白髪染めで暗くなった毛先をハイライトで明るくする
実際の僕のお客様です。
お子さんが3人いて、ご自身も働いている方なので、忙しい日々を過ごしている方です。
普段は僕がヘアカラーを担当させていただいていますが、たまにタイミングが合わないと、家で染めちゃいます。
そして今回は「いつも通りに白髪染めしたんだけど、真ん中が暗くなっちゃった!どうにかしたい!」というご相談をくださいました。
白髪染めで暗くなっちゃったと言っても、いろいろなパターンがあります。
特に多いのは3パターン
・毛先が暗い
・中間が暗い
・全体がムラ染まり
そして今回ご紹介するのは、その中の1つ『中間が暗くなっちゃった』です。
まずは写真をご覧ください↓
※状態を見えやすくするために明るいライティングにしています。
このように、本来伸びてきた根元の白髪が気になって染めようとしたはずが、どうしてもご自身でカラーをするときに、すでに明るく染まっている中間にカラー剤がついてしまうというケース。
あるあるですよね。
皆さんご自身が、もしくはお知り合いの方でもいるのではないでしょうか?
この状態を出来る限りキレイに(見えるように)お直しさせて頂くためのカウンセリングで、僕の方からは
・ハイライトを細かくブレンドすることで中間の黒をぼかします
・黒は全部取れませんが、ハイライトの方が全体にカラー剤を付けない分ダメージは抑えられます
・残りの黒は時間経過とともに徐々に色落ちしていきます
とお伝えしました。
今回の施術行程としては、
①ハイライト
②1色染め(白髪染め)
という流れで進めていきます。
ということで①ハイライト後の状態がコチラ↓
ハイライトのカラー剤にはブリーチ剤が含まれています。
ブリーチのパワーを使って、暗い色素を取り除きつつ、明るさを出していきます。
1色染めで全部ブリーチを付けてしまうと、明るくなりすぎますし、何より髪への負担が大きくなってしまいます。
ということで、今回はハイライトをブレンドするという選択をしました。
さて、キレイに暗い色素が取れた中間は明るくなりました。
もともと明るかった毛先は、ハイライトのカラー剤を付けていません。
理由は
・これ以上明るくする必要はない
・ご覧のとおりパサつきを感じるので、これ以上負担をかけたくない
という理由からです。
つまり、いったん色素を落とした中間の方が、前回までのカラーの履歴で少し色素が残っている毛先よりも明るく見えている状態です。
ではここから次の工程へ。
と言っても後は通常通り根元の白髪を染めて、毛先の色味を補正しながら1色染めをするだけ。
シャンプー・カット&ブローをして完成!
いかがでしょうか?
最初の状態をもう1度見てみましょう。
この状態からここまでキレイに直すことができました!
お家で白髪染めするときのコツは『明るめ&見えるところだけ』
「美容室での白髪染めだと追いつかないから家でも白髪染めをしたい。」
という方へ、暗くなっちゃった問題が極力起こらないようにするためにアドバイスです。
ポイントは3つです。
ポイント①
ドラッグストアなどでカラー剤を選ぶときは、出来る限り明るめのカラー剤を購入しましょう。
明るめ=色素の配合量が少ないので、白髪の染まりは甘くなりますが、もし中間に伸びてしまっても暗くなりにくいです。
白髪の染まりが甘くなっているところは、美容室で染めるときについでに美容師に修正してもらいましょう。
いったん暗く染まった髪を明るくするよりも、明るめに染まっている髪を暗くするのは簡単にできますので。
ポイント②
染めるのは分け目と顔まわりだけ!
ひとまず『自分が見えるところだけ』染まっていればOK!と割り切ってしまいましょう!
当然内側は染まっていません。
めくれば白いままでしょう。
後ろもそうです。
でも、良いんです。
無理して染めるとムラになる可能性が高まります。
ここは欲張らず、内側はいっさい染めないのがポイントです。
内側は美容室に行ったときに綺麗に染めてもらいましょう!
ポイント③
できることなら、誰かに塗ってもらいましょう。
自分で塗るとカラー剤が中間に伸びてしまう可能性が高くなるので、美容師ではなくとも誰か他の方に塗ってもらうだけでムラになる可能性をかなり抑えられます。
しかも、自分では見えない後ろや内側もキレイに染めてもらえるかもしれません。
使う白髪染めは泡タイプよりクリームタイプで!
泡タイプのカラー剤は画期的で、全体を均一に手早く染められますよね。
反面、部分的に狙った場所だけ塗るというには不向きです。
なんせ形状が泡ですからね・・・どうしたって全体についちゃいますよね。
つまり、伸びてきた根元のみ染めるのは難しい。
本来、白髪が染まるくらい濃い染料が、毛先の明るい部分にもついてしまうと・・・暗くなっちゃいます。
しかも、白髪が染まって黒髪も明るくなるくらいパワーが強い薬なので、毛先は余計にダメージを受けてしまいます。
なので!もしホームカラーで根元だけ染めたいのなら、操作性の良いクリームタイプにしましょう!
暗くなっちゃった髪色はシャンプーでちょっと落とせる
一口にシャンプーといっても、色持ちを良くするためのシャンプーもあれば、逆に色持ちが悪くなる=色落ちしやすいシャンプーもあります!
暗くなっちゃった色を落とすために、色落ちしやすいシャンプーで洗いましょう。
具体的には、スカルプ用のシャンプーは色落ちしやすい傾向があります。
スカルプケアに特化しているので、ヘアケアの成分は最低限しか入っていません。
そのため、けっこう色落ちしていきます。
ただ色落ちして終わりではなく、ついでにスカルプケアができるので、白髪・薄毛予防にもなって一石二鳥ですね!
髪を明るくするカラー剤は主に3種類
さて、カラー剤に話を戻します。
髪を明るくするカラー剤と言っても、主に3種類あります。
その3種類とは
・脱色剤
・脱染剤
・脱色・脱染剤
です。
それぞれ理論上の効果効能はこんな感じです。
脱色剤・・・メラニン色素を壊す
脱染剤・・・カラー剤の色素を壊す
脱色・脱染剤・・・メラニン色素とカラー剤の色素を壊す
というものです。
もう少し詳しく説明しますね。
脱色剤は、ライトナーやリフターと呼ばれるタイプのカラー剤で、市販品にはないものです。
カラー剤自体には全く色素は入っていません。
そして、髪本来の色素であるメラニン色素のみ壊すことができます。
逆に、カラー剤の色素は壊せません。
脱染剤は、ティントオフなどと呼ばれるカラー剤。こちらも市販品はありません。
もちろんこちらも色素は入っていません。
脱色剤とは逆に、(理論上は)メラニンは壊さず、カラー剤の色素のみ壊すようにできています。
脱色・脱染剤は、もうお分かりだと思いますが、ブリーチです。
色素は入っていなく、メラニン色素もカラー剤の色素も壊します。
髪の負担は、脱色剤<脱染剤<脱色・脱染剤といった感じで、やはり明るくするほど負担も大きいということです。
この3種類の中から、色素の入り具合、髪のコンディション、お客様のご要望などに合わせて適切なものを使います。
どの程度明るくなるか実験してみました!
暗くなってしまった髪色を美容室で明るくするには、当然カラー剤を使います。
そして、この時に重要なのは『暗くなってしまう前は、どのくらいの明るさだったのか?』ということです。
文章だけで説明するのは難しいので、毛束を使って実験したので見てみてください。
まず、何はなくともスタートは『白髪混じりの髪』。つまり、地毛の状態です。
その状態から①の行程
A.白髪染めで黒く染める
B.白髪染めで茶色く染める
左3本がA、右3本がBで、どちらもしっかり白髪は染まっていますが、明るさは全然違いますよね。
ここからさらに、Bを上からもう1度同じカラー剤で染める→色素の重なりで暗くなっちゃった状態を再現
同じ薬剤でも、毛先に重ねると暗くなっちゃいます。
お客様の「毛先が暗くなっちゃった」と同じ状態ですね。
いったん整理すると
Aの暗くなっちゃったは→暗くする前は地毛→初めて白髪染めをしたら思いのほか暗くなっちゃった
Bの暗くなっちゃったは→いつもと同じカラー剤で染めたけど、毛先に重なって暗くなっちゃった
という違いです。
ここから②の行程として
A-a脱色剤
A-b脱染剤
A-c脱色・脱染剤
B-a脱色剤
B-b脱染剤
B-c脱色・脱染剤
をそれぞれ塗っていきます。
結果は・・・こうなりました!!!
全体だとちょっと分かりにくいので、『薬剤ごと』に並べ替えてみますね。
A-a・B-a 脱色剤
Aは変化なし。もともとの薬剤が黒すぎてピクリとも動いてないですね・・・。
Bは大幅な変化はないものの、よく見るとほんのり明るくなっています。
A-b・B-b 脱染剤
こちらもAはほぼ変化なし。黒は強力です・・・。
Bは割と明るくなりました!茶色の色素がかなり薄まっています。
色味がちょっとオレンジっぽい気がしますね。
A-c・B-c 脱色・脱染剤
さすがにAも少し明るくなりました!黒という濃い色にはブリーチが必要ということですね・・・。
Bはかなり明るくなって、むしろ染める前より明るい状態です。
でもやっぱりちょっとだけオレンジっぽいです。
という結果です。
皆さんいかがでしたか?
やっぱりスタートが明るくない状態で黒く染めると、なかなか明るくならないですね。
スタートが明るければ、弱めのカラー剤(脱色剤)でも明るくしていけそうです。
これは、カラー剤の色素は壊せなくても、もともと持っていたメラニン色素を壊した分、少し明るさを出すことができたということです。
コレは実験なので、実際のお客様だと髪質や使ったカラー剤、履歴や経過日数など色々な条件が絡んできますが、おおむねこの実験をベースに考えてもらえれば大丈夫です。
ただ、気になるのは明るくした時に感じる『オレンジ』ですね。
実はこれにはちゃんと理由があります。
明るくしたときのオレンジは髪の奥まで染まった赤い色素
カラー剤は色々な色素が混ざってできています。
中でも暗いカラー剤は、赤系の色素が入っています。
これは、『色素の大きさ』が関係しています。
実は、カラー剤は色味によって、色素の大きさが違います。
これは図を使って説明しますね。
絵心低くてすみません(笑) 雰囲気でつかんでください!
この図は、髪の毛を縦に4つに切ったイメージです。
髪の毛は、ざっくり3層になっていて、1番表面がキューティクル。
その内側はコルテックスという中身の部分。
一番中心は、髪の毛の芯であるメデュラです。
※詳しく知りたい方はこちらを参照↓
ファッションの一部としても、アイデンティティーとしても日夜当たり前のように頭の上にある髪の毛。 『そもそも髪の毛ってどうなっているんだろう?』と思ったことはありませんか? 今回は、そんな疑問を解決する内容です。
色がついているのがカラー剤のイメージで、青・黄・赤とあります。
見てもらうと分かるように、赤い色素は1番小さいサイズです。
その分、グイグイ髪の奥深くまで入り込んで染まります。
赤味が少ないほど、色素のサイズは大きく、髪の内側まで入っていけないのです。
赤味が多いほど、しっかり芯の近くまで染まって色持ちが良くなります。
そして、見た目の質感がスカッとせず、深みのある色が出ます。
しかし、髪の奥深くまで入り込んだ色素は、なかなか取れません。
なので、明るくしようとするとオレンジっぽく感じてしまうんです。
「明るくしたいけど、オレンジはいやーーーー!」
という方には、いったん明るくした後、オレンジが消えるように色味を調整しますのでご安心ください!
白髪染めを明るくする方法は色々あります
最初に僕のお客様をご紹介したように、ハイライトを使って明るくする方法もありますし、1色で明るくする方法もあります。
ハイライトは、
・髪全部は染めない分、ダメージが少ない
・立体感を楽しめてオリジナリティーのあるヘアカラーになる
・伸びてきたときの境目が気になりにくい
というメリットがある反面、
・1色染めと比べると時間はかかる
・1色染めと比べると料金もかかる
傾向はあるという感じです。
最終的には『どういったデザインが好みか?どういったデザインにしていきたいか?』次第です。
今の時代は染め方・薬剤も多種多様なものから選べますが、その中で皆さんは【ハイライト】というヘアカラーをしたことはありますか?今回は、ヘアカラーの方法の一つ【ハイライト】についての記事です。
白髪が気になりにくいヘアスタイルは分け目なし&前髪あり
好き嫌いや似合う似合わないというのはありますが、思い切って白髪が気になりにくいヘアスタイルに変えるのも手です。
そもそも白髪が気になりにくければ、染める頻度を少なくできるかもしれないですしね。
具体的には、分け目がないヘアスタイルか、前髪を作ることです!
今すぐどうにかしたいときはヘアマスカラ・ヘアコンシーラー
「美容室に行く時間はないし、自分で染めるのも、やったことないから不安。
でも明日、急に人と会う用事ができたから見えるところだけでも白髪をどうにかしておきたい・・・」
こんなこともありますよね。
そういったときのために、ヘアマスカラやヘアコンシーラーを用意しておきましょう!
名前からお分かりのように、化粧品と同じ感覚で、1回シャンプーすれば落ちるタイプのカラーです。
応急処置としてはバツグンなので、1つ持っておくと何かと便利ですよ。
白髪染めで暗くなっちゃった問題のまとめ
白髪ってほとんどの方が気になるもので、1日でも早くどうにかしたいですよね!
でも一旦カラー剤の色素で暗くなってしまうと、明るくするのはちょっと大変になってしまう。
今回の記事で感じていただけたと思います。
だから、気になりにくいようなヘアスタイル&カラーにしておくと後々まで楽にヘアスタイルを楽しめます。
最後に、おすすめしたい方法は『そもそも白髪を気にしない』こと。
言うほど簡単なことではないことは重々承知していますが、実は僕自身がこのパターン。
白髪は生えていますが全く気にせず、【いわゆるオシャレ染め】でヘアカラーをしつづけています。
もちろん白髪は染まっていません。
でも「ハゲたくない!」という一心でスカルプケアをしつづけているので、白髪が増えるスピードは遅いのかな?と思っています。
オシャレ染めという方法なら、今まで通りヘアカラーを楽しむことができるので、あえて白髪を気にしないという選択肢もアリですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
僕で良ければ何でもご相談ください(^_^)
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追記。
僕は小さいころから美容師になろうと思っていたわけではありません。
当然、ヘアカラーリストなんて知りもしませんでした。
どこにでもいる普通の少年でした。
でも高校生のときに少しずつオシャレに気持ちが向いてきて
自分の髪をセットしていても上手くいかなかったとき
=世の中にはそんな人が多いはず
=そんな人たちの助けになりたい!
といったような理由で美容師を志すようになりました。
美容専門学校生のときに、ヘアカラーリストとの出会いを経て現在にいたります。
この記事では、僕の生い立ちから、どのようなキッカケでヘアカラーリストになったかが分かります
僕はヘアカラーが大好きです。この仕事は天職とは言わないまでも、自分には向いてると信じて働いています。 この記事は、そんな僕の半生の物語です!