アッシュってどんな色?昔からある謎のヘアカラーの真相に迫ってみる!

皆さんは髪を『アッシュ』に染めたことはありますか?

 

アッシュにしたことがある方は

「染めた後のオレンジがイヤだからアッシュにした!」

という方も多いと思います。

 

ということは『オレンジにならない色』ということなんでしょうけど、ではそのアッシュって具体的にどんな色なんでしょう…?

 

ヘアカラーリスト今井

ということでこんにちは。

ヘアカラーリスト今井です。

 

今回の記事ではその『アッシュ』の真相解明をしていきます!

アッシュって何色?

分からない

ちょっと長くてややこしいので、興味ないという方は次の項目まで飛ばしてください!

 

まず冷静になって考えてみると『アッシュ』って何色なんでしょう?

 

レッド!グリーン!と言われればすぐ色が思い浮かぶと思いますが、アッシュって…?

 

まずアッシュは、ざっくりヘアカラーとそれ以外で色のイメージが違います。

 

それぞれご説明していきます。

ヘアカラー以外のアッシュ

コアラ(アッシュグレイ)

言葉を調べてみると『アッシュ(ASH)』は灰・灰色と出てきます。

*1 ※出典コトバンク(yahoo!辞書)

 

「え、灰色ってGRAYじゃ・・・?」と思った方!!!

 

正解です 。

 

どちらも灰色のことなんです。

 

じゃあどう使い分けているのか?

 

と、言葉の意味としてはどちらも灰色なんですが、アッシュという言葉を色として使う場合は灰色として使うのではなく、【くすみがかった〇〇】のように、色そのものにかかる雰囲気の違いとして使われます。

 

じゃあ【くすみ】って?

 

くすみとは【黒っぽく地味な】【冴えない色】という意味です!

 

補足として、『グレイッシュ』は読んで字のごとく【灰色がかった〇〇】です。

 

ここまで混乱していませんか?

 

かく言う僕も調べているときは混乱していました (笑

 

さらにもう一ついきますよ!

 

色としては、なんと!『アッシュグレイ』という名前の色があります!

 

これまで説明してきた意味だけをつなげると【黒っぽく地味な灰色】という、もはや何色なんだ?という状態になります。

 

ですので、ここはJIS(Japanese Industrial Standards・日本工業規格)に頼りましょう。

JISの色彩規格では「灰色」としており、文章表現ではグレイと同じだが、色を数値で表した場合はグレイよりも少し薄く、黄色みがわずかに加わる。

※出典コトバンク(yahoo!辞書)アッシュグレイとは – コトバンク

とあります。

 

JISでは色のコードが決まっていて、そこにアッシュグレイという色が載っています。

 

環境によって多少違った色に見える可能性はありますが、ご覧ください。

※参考資料 PDFファイル  http://machizukan.net/DK/bg_color_jis/file.pdf

 

ここまでをまとめると

ここまでのまとめ

・『アッシュ』は灰色。ですが単体で使うことはほぼなく、基本的には【くすみがかった〇〇】という使い方。

・『グレイ』は灰色。そのまま単体でも、他の名前と組み合わせても使える。

・『グレイッシュ』は【灰色がかった〇〇】という意味。

・『アッシュグレイ』はグレイよりも薄く、黄味がわずかに入った色。

となります。

 

頭の中は整理できましたか?

 

これを元に、次はヘアカラーのアッシュについてです。

ヘアカラーのアッシュ

ヘアカラーでいうアッシュという色は、青です。

 

「え、青ってBLUEじゃ…?」と思った方!!!

 

正解です。(笑

 

こちらについて、詳しくは後ほど説明しますが、ほとんどのメーカーが作っているカラー剤でアッシュはこのサンプルのような色味です。

アッシュ

もちろんカラー剤にもブルーはあり、ブルーのサンプルはこのようになっています。

アッシュ2

単純に【青の濃さの違い】でしかないです。

 

この辺のお話はまた後ほど。

今のところは「へぇそうなんだ」くらいでOKです。

昔から人気のヘアカラー『アッシュ』

人気がある

アッシュという髪色(カラー剤)はむかーーしからあります。

 

それこそ僕が美容師を志した約20年前にはすでにありましたし、安定して人気のある色味であるばかりか、ここ数年は外国人風ヘアカラーの人気と共にさらにご要望がある色になりました。

 

そうです。良く言われる

・「染めた後や色落ちしてきたときのオレンジが気になるのでどうにかして欲しい」

・「外国人風の赤味や茶味を感じないベージュにしたい!」

などのご要望に1番適した表現がアッシュなのです!

 

アッシュの中にもバリエーションが色々あるので、ここでアッシュのカラーデザインをいくつかご紹介します!

アッシュデザイン

ロングのアッシュです。ハイライトを細かくブレンドすることで自然な印象に見せつつアッシュを表現しています。

アッシュデザイン2

ショートのアッシュ。ことらはベースが明るい状態で上からアッシュの色味をかけることでアッシュ感が強調されています。

アッシュデザイン3

ショートボブのアッシュはアッシュ感はそれほど強くなくベージュがメイン。

 

くすみが無い分、より透明感が出ます。

*2

 

あまり極端なデザインは載せていませんが、それでもバリエーションとしては幅があることがお分かりいただけると思います。

 

もちろんこれらはサンプルですので、実際はご要望に合わせて調整していきます。

ヘアカラーでアッシュを表現するためには

さて、アッシュというカラーがどういったカラー剤の色素でつくられているか?

 

そして、アッシュのバリエーションをヘアカラーデザインとして見ていただきました。

 

では、どうしてそのカラー剤の色素でこんなヘアカラーデザインになるのか?

 

その理論的な部分を簡単にご説明していきます。

 

まずはこちらの図をご覧ください。

レベルスケール

1番下の段にご注目ください。

 

髪の毛を明るくしていくと、~茶~赤茶~橙茶~橙~黄~薄黄~白となっていきます。

 

これが、黒~灰色~白だったら全ての色が比較的簡単に出せるんですが、髪の毛には上記の色のグラデーションがあるのでそう簡単にはいきません。

 

いわゆる茶髪といわれるような、派手過ぎずおしゃれを楽しめる幅はブラウン~オレンジまでと幅が広いです。その反面、赤味やオレンジ味が出てきやすいです。

 

そのなかでアッシュという色=くすみのある色(ブラウン)を表現しようとすると、どうしてもこの赤味・オレンジ味が邪魔になります。

 

「アッシュでってオーダーしたのに、なかなか思い通りにならない・・・」というケースはだいたいこの赤味・オレンジ味が原因であることが多いのです。

 

次にこの図をご覧ください。

PCCS色相環

*3参考画像元:インターネット絵画教室

 

色相環と呼ばれる、色のグラデーションを輪っかになるように並べたものです。

 

色相環には面白い特徴があって、180°正反対の色同士を混ぜると、お互いの特徴が消えるというものです。

 

これを補色または反対色と言います。

 

色相環でオレンジ(橙)を見てみると反対の色はなんと青。

 

ということは、髪のオレンジを消すために、青い色素がどうしても必要なのです!

 

そして、補色はもう1つ重要なポイントがあります。

 

補色同士を混ぜると、お互いの特徴を消し合いつつ、くすむのです!!!!

 

アッシュはくすんだ色。

なので、ヘアカラー剤にほんのり青を入れておくことで、髪を染めたときに髪は青くはならず、オレンジが消えてくすんだブラウンになる。

 

これが『アッシュ』というヘアカラーの考え方なのです!!!!!!

注意!SNSのアッシュに惑わされないで!

さて、かっこよく決まったところで1つ注意点をお伝えしておきます。

 

それは、インスタグラムなどに代表されるSNSです。

 

日夜、たくさんの美容師が自分の作品として画像をUPしています。

 

その中には、誰しもがあこがれるようなキレイなアッシュの写真も見かけます。

 

でも、の全てが実際の色とは限りません!

 

もちろんその美容師さんの腕が良く、実際にアッシュのヘアカラーにしている写真がほとんどだと思います。

 

しかし、中には画像の色味をPCやアプリでフィルターをかけて『アッシュ感』を強調しているケースがあります!

 

そういった画像をもって美容室へ行き「この色にしてください!」とオーダーした場合、実際には出せない色味なのでできません・・・という事態になりかねません!

 

作例を載せておきます。

 

分かりやすくするために極端にアッシュグレイにしていますが、結構こんな画像を持ってきていただくケースはあります。

アッシュ加工画像

下がもとの画像。

ぜんぜん違いますね・・・。

アッシュ加工前

ただ、実際は判断が難しいと思うので、オーダーしたい写真は複数枚ご用意しておいていただくほうが良いと思います。

アッシュのまとめ

アッシュの謎は解明できましたか?

 

いろいろややこしいですが、日本人(アジア人)特有のオレンジを消したい気持ちはよく分かります。

 

僕も髪を染め始めたころは、オレンジになるのが嫌で嫌で仕方がなかったです。

 

だからいつも「アッシュにしてください!」とオーダーしていました。

 

なんかカッコいいイメージもありましたしね。(笑

 

髪をアッシュするにはひと工夫必要ですが、【ないものねだり】はどんどんしてください!

 

出来ない時はこちらからお伝えしますが、僕たち美容師はいつも極力お客様のご要望にお答えしたいと思っています!

 

「そうそう!イメージ通り!」

「こんなカラーにしてみたかった!」

 

そう言っていただけるようにこれからも研究しつづけていきます!

 

最後まで読んでいただきありがとうございます!

 

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