
こんにちは!
ハイライト専門美容師・カラーリスト今井です。
ヘアカラーをしたことがある方なら、誰しもが1度は感じたことがあるのではないでしょうか・・・。
「カラー剤の臭いがキツイ!」
「カラーしてるだけでむせちゃう」
という経験。
今日はそのヘアカラーの臭いの原因。そしてその対処方法を学んでいきましょう!
ヘアカラー特有のツンとした臭いには原因がある
さてさて、いきなり本題の臭いについて話したいところではありますが、まずはカラー剤ってどうなってるの?というカラー剤の前提条件から見ていきましょう。
知っておいてほしいカラー剤のポイント
多くのカラー材は1剤と2剤を混ぜ合わせることで短時間のみ機能するように作られています。
1剤は主に染料・アルカリ剤、2剤は主に過酸化水素(オキシ)です。

そしてpHを変えるということが、髪を染めるために必要。
pHというのは、『アルカリ性か酸性どっち?』というアレ。
1〜14までの数字で表されていて、1に寄るほど酸性、14に寄るほどアルカリ性です。

ビオレのC Mなどで「人のお肌は弱酸性」って聞いたことありますよね?
弱酸性の肌から生えている髪も同じく弱酸性。
対してカラー剤はアルカリ性。
アルカリが入っていることで、弱酸性の髪に対して影響がある=染まるというイメージです。
pHってなに?という方はこちらの記事も参考になさってください。
さて、ここまでが前提条件。
お待たせしました。
いよいよ本題の臭いの原因からみていきましょう。
カラー剤の臭いの原因
①アンモニア
臭いの最大の原因です。
でもちゃんと意味があって、キューティクルを開いて染料を浸透させる役割があります。
・染料を入れるためにpHを一気に上げる
・揮発性が高く、鼻にツンとくる刺激臭
というメリットとデメリットがあります。
② 過酸化水素(オキシ)
• 染料を発色させるために必要
• アンモニアと反応すると臭いが強く感じやすい
③ 染料・助剤そのもののニオイ
• 特に白髪染めの濃いブラウン系
• メーカー、処方によって独特なニオイが残ることも
④ 髪・頭皮に残留するアルカリ
• カラー後にpHが戻りきらないと
→ 数日間においが残る原因になります
臭いの最大原因であるアンモニアとは
臭いの最大原因であるアンモニアについて少し掘り下げてみます。
1番重要なポイントは
**アンモニアは“役目が終わると揮発する”**という性質があるということです。
アンモニアの強みは「切れの良さ」
アンモニアは
• 仕事(キューティクルオープン)が速い
• 役目が終わると揮発する
という瞬間的な仕事をします。
つまり、アルカリが髪に居座らないことでダメージが“続かない”のです。
でもどんどん揮発するから臭うんです。
じゃあアンモニアじゃないアルカリを使うとか、臭いを封じ込めるのはどうなの?というと、それはそれで問題点もあったりします。
非揮発アルカリや封じ込めの弱点
メーカーが
• 封じ込める
• 揮発させない
• 別のアルカリに置き換える
という場合、
• 髪内部にアルカリが残留しやすい
• pHが下がりにくい
• キューティクルが開いた状態が長引く
つまり「施術中は穏やか、後から効いてくるダメージ」が起こりやすいです。
これが
✔ ゴワつき
✔ 数日後のパサつき
✔ 色落ちの早さ
につながります。
じゃあどうしたらいいのよ!
と思いますが慌てずに。
まずはアンモニアを封じ込めるという方法があります。
完全にゼロにせず、臭わない形にするアプローチ
一昔前のカラー剤のニオイって『強い香料でごまかす』タイプのものが多かったんです。
そうすると、、、混ざって逆に臭い。
今は、アンモニア臭と化学的に相殺する香料を使ったり、揮発のタイミングを合わせることで「香りが勝つ」のではなく「臭いが消える」感覚になるようになっています。
カプセル化したり、緩衝剤でpH変動を抑える、揮発を遅らせるなどの方法でカラー剤に混ざっています。
つまり「アンモニアは入っているが、鼻に届かない」処方になっているということです。
次にアンモニア以外のアルカリを使うパターンから掘り下げてみましょう。
アンモニア以外のアルカリ剤の特徴
アンモニアを別のアルカリ剤に置き換えることで、完全無臭ではないけど刺激臭は大幅軽減できます。
大きなポイントとして
・揮発しない=空気中に臭いが広がらない
・鼻への刺激が激減
デメリット、、、と言うかメーカー側の苦労としては
・キューティクルを開くスピードが遅い
・カラー剤の浸透コントロールが難しい
ことがあり、開発が難しいとのことです。
それぞれの特徴は分かった。で、どうするの?
と言うことで、対処方法をみていきましょう。
アルカリ除去・pHコントロールを徹底
ここがプロの差が出るポイント。
カラー後に
・アルカリや過酸化水素の除去剤
・pH調整機能のあるシャンプー
・酸リンス・pH調整トリートメント
などを使うことで
✔ におい残り防止
✔ 色持ちUP
✔ 頭皮トラブル軽減
を実現できます!
pH設計を“高くしすぎない”
こちらも一昔前のカラー剤は、とにかくアルカリを強くして染めるという力技でした。
今では、必要最小限のpHで染料の浸透効率を上げることで、アルカリ量を減らすことができるようになっています。
結果として
✔ 臭い
✔ 頭皮刺激
✔ 褪色
を同時に抑制できるようになってきました。
過酸化水素との反応臭を抑える
1剤のアルカリと2剤の過酸化水素(オキシ)が混ざった時の反応臭が一番キツイです。
なのでメーカとしては、酸化スピードを緩やかにすることや、金属イオン封鎖剤(キレート剤)を配合することで、「混ぜた瞬間のツン臭」を抑制するようになっています。
しっかり乳化・しっかり流す
薬剤が残留していればいるほど臭いも残留します。
耳後ろ・生え際・襟足は特に念入りに洗い流すようにすると良いでしょう。
施術後に臭いが残らない“残留設計”
メーカーが最も神経を使う部分で
• アルカリが毛髪に残りにくい
• 自然にpHが戻る処方
• 酸リンスなどのトリートメント前提ではなく単体で完結
という設計でカラー剤を開発することで翌日以降の臭い残りだけではなく、余計なダメージを抑えるようにしています。
カラー直後のシャンプー選びのポイント
まず当日〜翌日は、洗浄力の強いシャンプーではなく弱酸性・アミノ酸系のシャンプーで洗いましょう。
髪(や頭皮)が自然に弱酸性に戻ろうとすることを邪魔しないことが重要。
むしろそれを助けてあげられるシャンプーをチョイスできればベストです。
施術後24時間は汗・湿気を避ける
• 大量発汗
• サウナ
• 湿気の多い環境
は臭いが再発しやすいだけではなく、せっかく染めたカラー剤の色素も流出しやすくなるのでできるだけ控えましょう。
揮発がもたらす「本当のメリット」
揮発することで臭いとして意識しやすくなりますが、揮発することにメリットもあります。
① 髪にアルカリが居座らない
揮発性が高いということは、イコール髪内部・表面に残留しにくいということ。
結果
✔ キューティクルが開きっぱなしにならない
✔ 過剰膨潤が続かない
なのでダメージが増えにくいということが最大のメリットです。
② pHが自然に下がりやすい
アンモニアが抜けやすいということは、カラー後のアルカリ除去がたとえ甘くても、時間経過である程度リカバリーできるという側面もあります。
ではメーカーは「ダメージ覚悟」で臭いを抑えているのか?
答えは NO です。
メーカーが狙っている理想形は「染まり・明度・白髪カバーは落とさず、施術中も後も臭わない」こと。
これを実現できているメーカーは
✔ 処方開発費が高い
✔ 原価も高い
= どうしてもプロ向けラインに多い傾向です。
ダメージを出さないための“代替策”をセットにする
揮発させない代わりに、メーカーは
① 初期pHを低めに設計
• 強く開かない
• じわっと浸透
② アルカリ量そのものを減らす
• 浸透効率UP
• 染料・溶媒設計を高度化
③ 自然にpHが戻る緩衝設計
• 放置後にpHが落ちる
• 洗うだけで戻りやすい
④ アフター処理前提の処方
• 専用シャンプー
• 酸処理とのセット設計
「揮発しない=ダメージになる」を極力回避しています。
まさに企業努力様様です。脱帽。
同じ『臭わないカラー』でも【ダメージが出るカラー】と【出ないカラー】の違いは?
ヘアカラー直後、「アルカリをどう終わらせているか」にかかっています。
• 乳化が甘い
• 流しが短い
• 酸処理なし
• 放置長すぎ
などの状況で揮発しないアルカリは“残ると必ず悪さをする”ということを頭の片隅に置いておきましょう。
✔ 揮発=ダメージを減らす一因にはなる
✔ 揮発しない=ダメージになる可能性はある
✔ 最終的なダメージは「設計 × 使い方 × 終わらせ方」
なので、ダメージは揮発するかどうかではなく
どれくらい強いアルカリが(設計)
どれくらいの時間(使い方)
髪に作用したか(使い方+終わらせ方)
で決まります。
つまり揮発しても
• 初期pHが高すぎる
• 放置が長い
• 必要以上に髪を明るくする
→ 普通にダメージは出る
カラー剤は臭わない=揮発しないに越したことはないです。
でも「揮発しない=即ダメージ」ではないが、設計や処理が甘いと“後ダメージ”の原因になりうるということです。
カラー剤の臭いの原因と対処方法まとめ
ここまで色々な角度からカラー剤の臭いの原因と対処方法について学んできましたね。
小難しい話ばかりですみません。
最後に、僕が取り扱うカラー剤のポイントをお伝えして終わります。
僕が取り扱うカラー剤は
• 「アンモニアフリー=低刺激」ではない
• 「臭わない=弱い」でもない
• 設計が新しいかどうかという本質的なカラー剤
です。
それと、カラーの前後にアルカリや過酸化水素を除去するトリートメント。
それらを髪質やご希望のカラーに合わせて使い分けられる知識と技術をウリにしています。
まとめると「臭わないカラーは優しい反面アルカリが残りやすいので、僕は必ず“戻す処理”までセットでやっています」ということです。
今回は以上です。
読んでいただきありがとうございます。
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お会いできる日を楽しみにしております。

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追記。
僕は小さいころから美容師になろうと思っていたわけではありません。
当然、ヘアカラーリストなんて知りもしませんでした。
どこにでもいる普通の少年でした。
でも高校生のときに少しずつオシャレに気持ちが向いてきて
自分の髪をセットしていても上手くいかなかったとき
=世の中にはそんな人が多いはず
=そんな人たちの助けになりたい!
といったような理由で美容師を志すようになりました。
美容専門学校生のときに、ヘアカラーリストとの出会いを経て現在にいたります。
この記事では、僕の生い立ちから、どのようなキッカケでヘアカラーリストになったかが分かります
僕はヘアカラーが大好きです。この仕事は天職とは言わないまでも、自分には向いてると信じて働いています。 この記事は、そんな僕の半生の物語です!








