なぜ多くの人は白髪を染めたがるのか?〜白髪とは味わい深いワインである〜

突然だが、あなたは白髪染めをしているだろうか?

 

ヘアカラーリストとして働いていて、お客様のご要望としてよく「白髪をしっかり染めてほしい。」と言われる。

 

僕も、なんの疑いもなく「分かりました!」と言って染める。

 

長年そんなやりとりをしている中で、ずっとモヤモヤしていたことがあった。

『なぜ多くのお客様が、白髪を染めたいとおっしゃるのだろうか?』ということだ。

 

そこで今日は、『なぜ人は白髪を染めたがるのか』について、18年間の美容師人生を全てヘアカラーに捧げてきた僕が、暑苦しいほどの想いをもって分析してみたいと思う。

※全て筆者の見解に基づくものです。

 

今回分析を進めるにあたり、僕はある1つの結論にたどり着いた。

 

白髪。それはまるで『長期熟成するほどに味わいを深めるワインのような存在』なのだと。

 

ワイナリー

 

僕には聞こえる。あなたの声が。

「え?白髪はワイン?この人何言ってんの・・・?」と。

 

その気持ちは良く分かる。

ちゃんと理由は説明するので、とにかく読み進めていただければ幸いだ。

『老いを感じる→抜くor白髪染めする』の無限ループ。

根元の白髪

多くの方が、年齢が上がるとともに白髪が増えていくというパターンになる。

逆をいえば、白髪が増える=年齢が上がる。

つまり、歳をとることを視覚的に実感してしまうことが、白髪が嫌がられる1番の原因なのだと思う。

 

だから若白髪なんかは結局「まだそんな歳じゃないのに・・・」となる。

 

じゃあ生えてきたら白髪をどうするか?

対処法としてオーソドックスなのは『白髪を抜く』か『白髪染め』となるだろう。

 

まずは『白髪を抜く』パターン。

抜いてしまえば、白髪はなくなる。

抜いた直後は。

 

髪は平均して約3ヶ月すると新しく生えてくるので、しばらくすると短い白い毛が顔を出してくる。

逆に短くてピンピン出てきて気になる!

 

そして、気になるから抜く。

また生える。

抜く。

生える・・・

無限ループ。

 

次に本題である『白髪染め』について。

 

黒や茶色に染めてしまえば、白髪はなくなる。

染めた直後は。

 

髪は日々伸び続けているので、1ヶ月ほど経つと

伸びてきた根元の白がはっきりと分かるだろう。

 

そして、気になるから染める。

また生えてくる。

染める。

生えてくる。

染める・・・

無限ループ。

 

僕が思うに、これも白髪が嫌がられる原因の1つ。

 

つまり、一般的に言われる白髪が嫌いな主な原因は

・老いを感じる

・抜くor白髪染め無限ループ

だと思うのだ。

 

他にもリサーチしていくと、こんな意見も聞いた。

「白い部分が頭のあちこちで目立ち始めると、

どんな服を着てもイマイチに感じてしまう。」と。

 

ファッションとの兼ね合いも難しく感じてしまうのだ。

白髪とは、とかく厄介者扱いされる。

自然な変化を受け入れられない『自分が嫌』

鏡を見る女性

でも僕は、ここから更に心理的な部分を分析した。

 

人間は歳をとる。

でもそれは自然な変化。

不老不死なんて、マンガの世界の話。

 

つまり、その過程で白髪が生えてくることは、ある意味当然の変化とも言える。

 

もちろん不老不死は非現実的でも、白髪予防の方法は日々研究されていて、

かなり良いアイテムが出てきているし、生活習慣でもかなり予防効果はある。

 

なので、ある程度は白髪を予防したり、場合によっては減らすことも期待はできる。

 

でも基本的には、年齢とともに増えていくのが自然な流れ。

 

問題はここからで、その自然に増えてくる白髪が嫌というだけではなく、

『それを認められない自分自身が嫌』という心理。乙女心なのだ。

 

ええ。とても良く分かる。

老いなんて認めたくない。

誰だってそう僕だってそうなんだ。

白髪を嫌だと思わない人

今度は、ちょっとだけ視点を変えてみよう。

『老い』それは『成長』と表現することもできる。

 

白髪を撲滅したいと願う人が多い一方で、

成長するにつれ白髪が生えてくるという自然現象を受け入れて、気にせずに生活する。

もしくは白髪を気にせずに、とにかくヘアカラーを楽しむという考え方を持っている方もいる。

 

僕も老いは認めたくない。

38歳の現在も、気持ちは20歳のままだ。

 

でも、白髪はある。

でも、受け入れてヘアカラーを楽しむことにしている。

 

いきなり『考え方を変えましょう!』ということではなく、

こんな考え方もあるくらいに受け止めてもらえれば幸いだ。

そこに隠された白髪の魅力とは?

さらにさらに深く分析していく中で、僕は白髪をこんな風に捉えるに至った。

 

それが冒頭でお伝えした『長期熟成するほどに味わいを深めるワインのような存在』ということだ。

ワイン造り

ワインは、ぶどう栽培の管理から始まり、長年の温度・湿度の管理など、

手間暇をかけて熟成させることで、オリジナルの味わいを深める。

もしこのどこかの過程で手を抜けば、味わいが一気に落ちることは想像に難くない。

 

対して白髪の場合、何もお手入れせずに放っておくと、だらしないイメージを持つ方も多いだろう。

そう、白髪というのは、キレイに見えるようにするのに手間暇がかかる。

 

でもちょっと待ってほしい。

実はそこに、隠された白髪の魅力があるのだ。

その白髪の魅力を、僕はお伝えしたい。

 

考え方によっては、白髪は真っ白なキャンバスとも捉えられる。

白というのはどんな色にも染められる色なのだ。

絵具

黒や茶色は当然のこと、やろうと思えばレインボーカラーだってできる。

つまり、白髪はヘアカラーをもっと楽しめる可能性を秘めているのだ。

 

しっかり白髪染めをしている状態から移行していくには、最初、手間暇がかかるが、

それに見合った自分だけのオリジナルなヘアカラーを楽しめるようになる。

 

このことから導き出されるのは、まさに白髪はワインと同じであるということ!

手間暇をかけるからこそ、オリジナルの良さを引き出していけるのだ!

 

お酒は二十歳から。

ワインを楽しむことが出来るのは大人の特権。

もし若白髪が生えてきたのならば、それはむしろ、早く大人の特権を得ることになった『人生のビッグボーナス』。

 

もう一度言う。

白はどんな色にも染められる色。

白髪は真っ白なキャンバス。

 

黒髪スタートでは出せない、白髪だからこそ表現できるヘアカラーを

ぜひ楽しんでいただきたい。

 

ヘアカラーは本来、楽しむものなのだから。

 

 

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追記。

 

僕は小さいころから美容師になろうと思っていたわけではありません。

 

当然、ヘアカラーリストなんて知りもしませんでした。

 

どこにでもいる普通の少年でした。

 

でも高校生のときに少しずつオシャレに気持ちが向いてきて

自分の髪をセットしていても上手くいかなかったとき

=世の中にはそんな人が多いはず

=そんな人たちの助けになりたい!

といったような理由で美容師を志すようになりました。

 

美容専門学校生のときに、ヘアカラーリストとの出会いを経て現在にいたります。

 

この記事では、僕の生い立ちから、どのようなキッカケでヘアカラーリストになったかが分かります